モノを作ることの視点と価値について
 この秋はデザインイベントが続いていることもあって、

世の中の流れを感じるため出来るだけいろいろなところへ脚を運ぶことにしています。

その印象をつらつらと書いてみます。


売り手と買い手を結びつけることを目的としたショーは、品質と信用、パッケージ、

取引条件などビジネスとして継続的な付き合いが出来るかどうかが問われることになる。

最近は良い商品であることは当然で、その背景にあるストーリーやブランド、

そのイメージを伝える為のWEBサイトとパッケージングがとてもレベルが上がっている。

japanbrandなど戦略的なものも。

しかし、WEBもないし、カタログもないけど、とんでもなく存在感を放っている

会社もある。青森県の打ち刃物工房さんが、無造作に台に包丁を並べていたのだけれど

そのワイルドさと構造美に打ち抜かれました。サンプルを購入させてもらおうと

思ったのだけど次の日からフランスの展示会に送るのだとか。

骨太な職人仕事には美しい衣装がなくても強いオーラが漂っていることを感じ。



またそれとはベクトルが違い、クリエイターやアーティストが試作品やプロトタイプを

展示して出資者を募ったり、オーディエンスと意見交換したり、

生産工場とのマッチングを目指しているショーなどもたくさん行われています。

こういったイベントは製品段階にはないモノやアイデアが満ちあふれていて、

すごくわくわくします。学生の研究課題がそのまま出展されていてそれもかなり

レベルが高かったり。

そしてこの手のイベントの作品はコンセプトワークがよく練られていることが多い。

社会的に意義のあるものとビジネスを結びつけるソーシャルビジネスに向かって

行くようなモノつくりなども。

出展者は大体の場合メーカーではなくデザインかプランニングからスタートして

いるのでなぜこのようなモノなのか?という問いかけから始まっていて、

「木で家具を作るという前提」から仕事を始めた自分とは明確に頭脳の使用部分が

違っていて刺激的でとっても面白い!


その他には「使う人が自由に作れる環境をつくる」という流れもあって、これはある種

「中途半端なモノを作るプロ」を淘汰して行く流れでもあるのだけれど、

その反面技術や設備に縛られない本当に面白いアイデアが世界中とつながる

「fablab」というムーブメントに非常に着目しています。

マテリアルに縛られず、作るプロセスをオープンソースにして、工作機械を駆使し

自分たちだけの世界に閉じ込めないという考え方。立体物のインターネット状態です。


世の中の流れは確実に早くなって、世界はどんどんつながっていく。

すぐれた職人技術は行き場を失ってしまうととたんに消えそうになる。

身体感覚とは違う工作機械に出来ることには限界がある気がして、

それらを職人技術とマッチングして価値のあるアイデアと結びつけることで

仕事を創造できるようなイヌイットファニチュアになりたい。

ああ、もっと頭脳明晰になりたい2011の秋。


イヌイット・犬塚






















| - | 12:18 | comments(0) | - | pookmark |
家具・木工の学びの話
 自分が長野県で木工の教育を受けた頃は、無垢材の特性、道具や機械の仕込み、

使い方などを朝から晩まで学んでいた。すばらしい先生について本当に作ることに

純粋に向き合った有意義な時間だった。

その一方、デザインや設計は基本部分は指導してもらえたが、

それ以上となると独学に近い。

しかし理想のカタチを作り出すために、いろいろとがんばってみた。

卒業し、技術の基本を身につけ仕事の現場に入ろうとすると

木工以外の知識や素材がたくさん必要なことに直面した。

個人向けの無垢の家具でも最低でも丁番やスライドレール、取手、アジャスター、接合金物

などがすぐに必要になる。メーカーや問屋もいっぱいだし、輸入品の比率も高い。

そして、新築物件や商業施設などとなると、クライアント、設計事務所、工務店、

各専門業者、建具屋、塗装屋、左官屋、設備屋、電気屋、サイン業者などと一緒になって

ひとつの物件を完成させる。

無垢の木材だけでは何事も完結しないし、無垢が全く用途に合わない部分も多く存在する。

そういうときはフラッシュ構造や合板において、適材適所なのが無理ない。

置き型の家具だけを作っていた頃は関わりのなかったことが、

規模が大きくなるにつれ木工の知識や経験だけでは済まなくなる。

モノつくりにおいてもディディールを確かめる目と、

全体を俯瞰で見渡すコンダクター的な視点が

同時に持てるような教育機関があればすばらしいと常々考えている。

木工を目指す人は、それ以外にも沢山勉強しないといけないってことですね。

イヌイット 犬塚





| - | 14:45 | comments(0) | - | pookmark |
モノつくりとその周辺
 時々、仕事でアンティーク家具を使用することがある。

古い家具の存在感は強い。新しい家具はその存在感に圧倒されそうだ。

作り手と使い手、そして倉庫に積み上げられていた時間さえも

存在を厚くする手助けをしている。

ただ、彼らは誰かが時間とともに仕上げたものだ。

だから自分は、自分が作り上げたものと古いものを合わせることが

面白くてしようがない。赤ちゃんとおじいさんがいっしょに手をつなぐような。

少女と壮年の男性が向かい合っているようなこともあるかもしれない。

自分に出来るのは両者を並べて、おりあいをつけること。

そうしているうちに、よそから来たお年寄りと自分が生んだ幼児のいる場所が

だんだんとなじんでくる。もしくは、ずっとなじまないかも。

どっちでもいいのかもしれない。

家具をつかって空間を作ることは、いろんなアイデアで行うべきだ。

適材適所だったり、あるいは思いもかけない化学反応がおこるようなミスマッチ。

それがリアリティを持って、つかう人たちの生活にうったえる。

どちらへ転ばせるかが、僕たち家具を提供するものの役割だ。

僕たちはワクワクさせる義務があると思う。

そしてそれを使って何をするかが、クライアントになった人たちの楽しみでもある。




イヌイット 犬塚






| - | 15:48 | comments(0) | - | pookmark |
鎌倉の落ち着き系カフェ
 鎌倉の扇が谷にある、terre verte さんにお邪魔しました。

新築の住居兼ショップは、横須賀線からもちらりと見えるデザイン住宅。

イヌイットファニチュアでいくつかのパーツを御注文頂いたご縁もあって

初訪問。外の光が程よく差し込む落ち着くカウンタースペースでオーナーさんと常連さん。



そして奥様はなんと、もと家具職人!

この業界、現場に女子はすごく少ないのですが、木工トークでなにかと盛り上がり、、。

店内の内装工事と家具はほとんどお二人で行われたとか。

ご主人「仕事から帰ってくると、棚がひとつ出来てたりするんだよね〜」

そんな奥さんなかなかいません、、、。


奥様手作りのモダンなコースター。小さいものってつくるのが逆に難しいですが、

内装しながらこのお店の中で製作なんて脱帽。


店内にはビンテージやデザイン雑貨がディスプレイされて、購入できます。

北欧モダンのデザイナーものなどがさりげなく置いてあり、なぜか漫画もたくさん置いて

あって長居しちゃいそうです。人通りからは少し離れているお店ですが

気持ちのよい時間が流れている素敵なスペースでした。


terre verte    cafe&books&more  

鎌倉市扇が谷3-3-24 
0467-67-4477
11:00〜18:30 open
定休日 月・金・土  



イヌイット・犬塚


| - | 11:30 | comments(0) | - | pookmark |
九州出張
夏休みと出張を兼ねてでかけていた九州 から戻りました。

海と川のほとりの博多の町は熱気と湿気で町がむんむんとしていた印象。

震災の影響もほとんどなく、関東の自粛ムードとはほどとおく。

ネオンもこれでもかとばかりに輝いており。

夜遊びも盛んな西の都市ですが、センスの良い雑貨屋さん、ギャラリーなどが

人目につかないところでがんばっているのが印象的でした。

福岡の郊外で素敵なロケーションの、友人に連れて行ってもらった梅やさん

オフィス街のビルの5Fにひっそりとあった望雲さん。


そして長崎県に入り、取引先の波佐見のショップに脚を運びました。

西海陶器さんが運営するモンネポルトさんムックさん、花わくすいさん

我がふるさとでこんな素敵な場所が開かれていることに

あらたな地方の時代の息吹を感じました。



そして夜は都市部へ移動し、路面電車も風情のある長崎市内へ。

十代からの友人の案内で、昔美輪明宏さんの二丁目のお店で店長をやっていたという経歴の

ママ(マスター?)のバーへ皆で移動し、ゲイの達者さに笑いが絶えず。

「ママ、なんでお店の名前、機関車って言うの?」「カマで焚くから機関車よっ!!」

本当に人を楽しませるすべを心得ているその気配りに感動。

地元の友人はそのまま前後不覚のまま、長崎の宵は更けていくのでした。

長崎は濃い町です、、。



さて長崎では離島にわたることも今回の旅の目的のひとつでした。

古い教会群で、メディアにも取り上げられることの多くなった島々。

佐世保から片道3時間のフェリー移動の後、五島列島の先端近くに位置する小値賀島

兄がその島へ住んでいることもあり、手つかずの自然の中にある地元の人たちだけが知る

砂浜で(これは教えられない、、)とんでもなく透明な海の中、

たくさんのお魚と文字通り一緒に泳いでこれたのが

この夏一番の自分へのご褒美となりました。




イヌイットファニチュア 犬塚













| - | 16:34 | comments(0) | - | pookmark |
てのひらワークスさんのサンダルワークショップ、終了しました!
8月のてのひらワークスさんのワークショップ「革の端切れでつくる、夏の草履づくり」が
 
本日で終了となりました。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

自分の足形から型を作り、好きな色のパーツを選んで自分の手でつくるサンダルは、

きっとステキな夏の想い出になったのではないでしょうか。

また楽しくなるプチDIYワークショップを企画したいと思いますのでお楽しみに!

イヌイット・永井

 workshop_lobyK
| - | 18:40 | comments(0) | - | pookmark |
茅ヶ崎から直島のカフェ
イヌイットファニチュアが以前家具を作らせていただいた茅ヶ崎のカフェ「O」の

オーナーさんと奥様が鎌倉を訪ねてくれました。

今は店を臨時休業し、奥様が切り盛りする香川県直島のカフェのパイオニア「M」屋

さんで共にお店にたっているのです。次号のブルータス誌にも登場。

先日挙げられた結婚式の会場は現代美術のインスタレーションで有名なあの神社。

直島の議会だよりの表紙にとりあげてもらったそうで、お披露目ですねー!

今後のお二人の活躍から目が離せません。新郎新婦とご家族と

島の皆さんが和やかに解け合っている様が微笑ましく。

イヌイットファニチュアも直島で何かやってみたい、と強く思う夏、、。


イヌイット・犬塚

| - | 18:32 | comments(0) | - | pookmark |
| 1/13PAGES | >>